SF映画ベスト10の巻


毎年恒例となったワッシュさんのベスト10アンケートであるが、今年はSF映画とのこと。「SF映画」カテゴリだけでも大した数がある上に、SFに括ろうと思えば括れる作品ってかなり多いので大変ですな。
(ちなみに最近ようやくイーガンの「宇宙消失」を初読したのだが、「涼宮ハルヒ」って結構これに影響受けてんじゃないかと思って検索したら『宇宙消失はアイデア倒れ、ハルヒの方が同じアイデアをよほど巧く書いてて面白い』みたいなブログが最初に出てきたんで止めた)
さて、本題である。当然ながら私的にもほどがある並びである。
1.ターミネーター2

ターミネーター2 特別編 [DVD]

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何回目だという話だが、俺が選ぶなら一位がこれになるのは仕方ない。SF的(スリラーとしても)な面白さなら1作目なんでしょうが、タイムパラドクスもからめればいくらでも続編が作成可能という道を開いた意味でも2を推したい。いや、個人的な思い入れに無理矢理理屈をつけてるだけなんですが。そしてその危惧は現実となっていくのであった……
2.パシフィック・リムあんなものを見せられては高位にぶち込むのは仕方ない。ロケットパーンチ!(2回見たのにもう細部の記憶が雑になっている)
3.第9地区
第9地区 [DVD]

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あれだけ燃えさせてもらったのだから……と説明がダブるのも仕方ない。余談だが、海の近くに住むとああいう「キリストの昇天」みたいな雲によく出くわす。
4.12モンキーズ
12モンキーズ [DVD]

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公開当時、評価低かったなあ。けど雰囲気が好きだから仕方ない。こういう「世間の評価とずれた俺趣味」を押し出し過ぎると香ばしい拗らせ野郎に見られるので気をつけましょう(そういうのに限って選んでいる作品が結構ベタなのである)(まあ本当に誰も知らないのを挙げてヒかれるのも怖いわけよ)。
6.WALL・E
ウォーリー [DVD]

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SFに名を借りた純愛映画ではあるが、入れてしまうのは仕方ない。ワッシュさんが恋愛映画ベスト10を集めたときにも投票したい作品だが……やらんな。
7.エターナル・サンシャインこれはねえ!
8.ファンタスティック・プラネット
ファンタスティック・プラネット [DVD]

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SFと言えるかどうかも不明だが、サブカル女を家に招き込むのに随分活用させていただいたので感謝の気持ちを込めて入れてしまうのも仕方ない。
9.時をかける少女
時をかける少女 通常版 [DVD]

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何でもアリなジャンルだけに恋愛もこれまでにない角度で描けるというか、SFと恋愛って親和性が高いんですな。ファンの方はそうでもなさそうだけど(偏見)。この作品によって世間一般での評価も高めた細田守であったが、その後は長編オリジナルを出すたびに、滲み出る妙な思想性が議論を呼ぶことになるのであった。
10.バタフライ・エフェクトというわけでバーホーベンと思いきや残念!さやかちゃんでした!この作品は切ない流れではあるもののラストが何パターンかあってDVDなどで視聴可能なのだが、正規版が一番収まりがいい(とってつけたようなアレでもない)あたりは、めでたしめでたしでなのであった。愛だよ、愛。
11.スターシップ・トゥルーパーズ
スターシップ・トゥルーパーズ [DVD]

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なんつってな!

A Little Bit Of 艶話

日清カップヌードルしおのTVCMを見ていて思いだした色々。
http://www.cupnoodle.jp/cm/0307sio/index_02.html
「エリーナ、アンナ、レオンティーナ……」と女の名をひたすら歌い上げて過去の女を辿るように見せつつ実はそうでもないという、ちょっと艶笑くさいが回春効果を謳う健康食品のバナー広告や「リッチしよ」よりはもう少し品のあるCMであります。

これを見て想起されるのは「ボンボン坂高校演劇部」かLou Begaの「Mambo No. 5 (A Little Bit Of...)」か。

「A little bit of Monica in my life, A little bit of Erica by my side. A little bit of Rita's all I need, A little bit of Tina's all I see. A little bit of Sandra in the sun, A little bit of Mary all night long……」と嘗ての彼女を列挙した(らしい。本当かは知らん)サビでお馴染みの楽曲。これが欧米各国でチャート上位に食い込んだあたり、懐が広い。

そして、KISSのジーン・シモンズもある趣味で知られた人間でありました。

Kiss

Kiss

数千人とも言われるやった女すべてをポラロイドにおさめていると噂のThe Demon63歳。今はデジカメなんでしょうか。

写真は抜きにしてもそういうのを記録する嗜好のある人間は意外といるわけですが(『愛についてのキンゼイ・レポート』でも出てきたね)、世界的にその趣味が知られるというのはどうなのか。スターの宿命と言えばそれまでか。とは言えこういう趣味は江戸時代に遡ることも可能なのです。

かの時代、遊女、茶や女、人の女房、下女など関係のあった人間の名をすべて体に彫った男がいたと言われます。人呼んで「過去帳男」。バカにしてんだかなんなんだかさっぱりわからない。
ちなみに彼の体には若衆、野郎、陰間の名までもが彫られていたというから、まっことしょうもないエントリながら少しは男女平等ぽくシメられたのではあるまいか。




んなこたねえな。

ドラマ丼特盛り全部載せ

表も裏も見渡したい | 「講談社ノンフィクション賞選考会」での石井光太評について
名著「コリアン世界の旅」の筆者野村進氏が石井光太氏の作品について、(要約すれば)「話盛り過ぎ」と批判したことについてのオハナス。

コリアン世界の旅 (講談社文庫)

コリアン世界の旅 (講談社文庫)

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く (新潮文庫)

まだ「g2」そのものを読んでいないので、これが氏の著書全般を指しているのか何か特定の作品を指しているのか分からないのだが、これを機会に、はてなの下書き機能を使って1年ほど前に書いていたツッコミを引っ張り出してみるのである。当時「物乞う仏陀」の次に「神の棄てた裸体」を読んであまりにひっかかったので書いてみたものだ。


まずこのノンフィクションで描かれる主なエピソードの紹介。
インドネシアの売春酒場(露店)で下働きをし、パキスタンで路上で稼ぐ兄弟と知り合い、彼らが男娼稼ぎをお互いに隠していたことを偶然発見し、ヨルダンでバーテンとして働き、出稼ぎホステスの仕返しを手伝い、一夫多妻制を取材しようとしたイラクでまさにこれから既婚者に嫁ぐ女性障害者に遭遇し、インドの売春宿で病に伏せり、薬師の下働きをし、汚職警官に食ってかかって想像以上の余波を生む……

あとがきによると、これがわずか半年の取材旅行での成果ということで辣腕恐れ入る。なぜか「実は6エピソードはその前に取材していた」とか後からブログでつけ加えてたけど、それなら「半年で調べた」と言うこと自体が話盛ってるよな(ちなみに全部で16エピソード掲載)。(追記:事前に仕入れてたのは『5話ぐらい』だそう)

そして
「彼らはいい人だよ。いや、かわいそうな人なんだ」「あの人たちだって、苦しんでるんだよ。自分が変なことも、痛い思いをさせているってこともわかってる」(自らの体を売るインドの少年)
「女たちは、治ることだけを考えてるわけじゃないんだ。治療とともに安らぎを求めておるんだ。重圧から解き放たれたい、と思っているんだよ」(インドの薬師)
「ねえ、一緒に夜を明かさない?どうせ一人じゃ寝れないし。一緒にこのバイク、捨てちゃおうよ」(友人となったイラク人ホステス)
「オラ、弱い人間だ。死ぬのが怖かったんだ。生き残りたかった。生きたかったんだよ」「わかってくれよ。オラは他の男みたいに強くないんだ。堂々と死ねるほど偉い人間じゃないんだ」(かつて愛人の男を密告したというアフガニスタンの同性愛者)
何というエモーショナルな発言の数々。筆者は何カ国語を使いこなせるのだろうか。こんなセリフが小説に出てきたら安っぽさに本を投げ捨てるわ。

さて、それでもこの本がすべて事実としたら……いやこんな下衆の勘ぐりなど本来無視すべきで事実ばかりなのでありましょうが……としたら
・「逃げてこい」という筆者の言葉を信じて幼い娼婦が逃げてきたら、筆者の方が怖くなってトンズラ
・筆者が汚職警官に絡んだのをきっかけに、重病の女乞食が警官たちから暴行を受けて死ぬ
・潜入ルポが原因で、案内役が片腕を切り落とされる(前作『物乞う仏陀』)
パキスタンで銃砲店主に対して「あなたは、自分が生きるために人を殺す武器を売って、殺す方法を教えるんですか。人が死んでも自分が生きられればいい、と思ってるんですか。そんなのおかしいですよ」等、青臭いとも言える正義感をさまざまな場面で口にする筆者が、自分の行いでこれだけの結果を生んだことにどれだけの葛藤があるのか。書いてないだけか。少なくともほとんど書いてないしね。あとがきとか読むと、旅自体よき思い出になっちゃってそうだしね。

正直言ってこれを「未踏の体験的ノンフィクション」とか言って売るのはあんまりだということだ。かつて呉智英氏が三角寛のサンカ本について「事実とするには面白すぎる」と述べていたが似たようなもんか。まあどんなルポもノンフィクションも、限度はあるにしても多少の演出があるのは当たり前だと思うのです。ただしそれは情報の取捨選択とか記述の順序によるものとか。結局のところ、こーゆー設定のきな臭さと取って付けたような正論によって、何か問題意識もひどく浅薄に感じられちゃうわけで。その辺が諸手でバンザイしてもらえない一因ではなかろうか。

東電未来予想図

暗いんだか暗くないんだか分からないがざっくりとした、推論と推測にまみれた予想図。

原発事故、検察の捜査本格化 年度内に立件の可否判断か

東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察当局は9月から、業務上過失致死傷容疑などでの告訴・告発があった東電幹部や政府関係者に対する捜査を、本格的に始める模様だ。関係先に資料提出を求めて分析したうえ、関係者への事情聴取を慎重に進め、今年度内にも刑事立件の可否を判断するとみられる。

業務上過失致死傷などで刑事告訴・告発された東電幹部ら。

とはいえ刑事罰に問うのは法律論として正直言って無理筋なので、不起訴だろうと。

しかしこれだけパブリックエネミー的な存在となった原発関係者。検察審査会だって納得するわけもなく、2度の起訴議決を経て強制起訴は十分あり得る。

ところが来年は強制起訴第1弾と第2弾の明石歩道橋事故とJR福知山線脱線事故の裁判が判決を迎える。

まあこれも有罪は難しい。歩道橋は時効を停止させるためにかなり豪快な論理展開をしているし、福知山線事故は一番イケそうだった人ですら無罪確定していて、それより立場の上の人間を有罪とするのは非常にきつい。

陸山会事件や沖縄のよく分からん詐欺事件を加えれば強制起訴事件4件連続無罪という見通し。

さすがに制度の見直し論議が噴出してしかるべき段階。陸山会事件でも告発から強制起訴までに2年かかってるので、これは結構……ギリギリだねえ。

父のコロッケ、母なるりんご

美味しんぼ (19) (ビッグコミックス)

美味しんぼ (19) (ビッグコミックス)

ふと見たニュースで思ったこと。

ケンタロウさんが料理番組降板「治療に専念したい」
 テレビ東京は28日、2月に交通事故で重傷を負って療養中の料理研究家、ケンタロウ(本名・小林健太郎)さん(39)が、料理番組「太一×ケンタロウ男子ごはん」(日曜午前11時25分)を降板すると発表した。
 ケンタロウさんの事務所から5月末ごろ、「療養が長期にわたり、治療に専念したい」と申し入れがあったという。8月5日の放送分から、料理研究家栗原心平さんが代わりに出演する。

ケンタロウ氏に栗原心平氏とどちらも親子で料理研究家。狙ったわけではないと思うが、まあそういうコネクションが効きやすい業界なのだろうなとは思わざるを得ないわけで、とは言っても別に

百恵さん長男、2世ライバル制し「松山千春」に
俳優、三浦友和と元歌手、山口百恵さん夫妻の長男で歌手、三浦祐太朗(27)が3日、都内で行われた舞台「旅立ち〜足寄より〜」の「松山千春役オーディション最終審査」に登場。グランプリを獲得し、受賞のあいさつで「オーディション自体が初めてだったので、率直に、本当にうれしいです」と感激の涙を流した。
歌手、鳥羽一郎の長男で歌手、木村竜蔵(23)やロス・インディオスのボーカル、故シルヴィアさんの長男で歌手、中山貴大(20)ら強力なライバルを押しのけて栄冠を勝ち得た。

みたいなニュースを思い出したというわけではないからな!
 
ざっと並べると
 
ケンタロウ→小林カツ代
土井善晴土井勝

栗原心平栗原はるみ
栗原友栗原はるみ
コウケンテツ→李映林
きじまりゅうた→杵島直美→村上昭子
辰巳芳子→辰巳浜子
江上佳奈美→江上栄子→江上トミ
健太郎陳健一→陳健民
まあ親から店継いだ傍らメディア出てるのはちょっと違うかもしれんが……
 
 
というかなんというかいつまで黄金期の美味しんぼを引きずるのか俺は。