電波男は僧帽筋の夢を見るか

ワッシュさんがとうとうやってくれた筋肉映画ベストテンシュワちゃん映画というかカロルコ映画というか非常に偏りが強くなりそうな気がするが、それは仕方ない。例によって独断と偏見にまみれたマイベスト。

1.ターミネーター2(1991、アーノルド・シュワルツェネッガー

不動の一位として挙げざるを得ないのがこのT2。だいぶカットが甘くなったとか言われるがそりゃそうだ、シュワちゃん当時40代後半でござる。まあすべての基準と思っていただきたい。


2.トゥルーライズ(1994、俳優名不明)

アブ・アジズが核弾頭を披露するときに封印をぶっ壊した手下。こういう端役で出てくる無駄な筋肉。これですよ!80〜90年代のアクション映画を「筋肉マンのスーパーヒーローが大爆発で大暴れ」と揶揄する向きもあるが、筋肉は主役だけじゃねえ!「この人がこんなマッチョな必要あるの?」というとこにまで忍び込む筋肉。あのとき、俺たちは確かに筋肉バブルにいたのである。


3.レッドブル(1988、タイガー戸口)

物語の導入としてシュワちゃんにぶっ倒される雑魚役。こういう端役で出てくる無駄な筋肉。これですよ!80〜90年代のアクション映画を「筋肉マンのスーパーヒーローが大爆発で大暴れ」と揶揄する向きもあるが、筋肉は主役だけじゃねえ!「この人がこんなマッチョな必要あるの?」というとこにまで忍び込む筋肉。あのとき、俺たちは確かに筋肉バブルにいたのである。別にハッテン場とかではない筋肉山盛りのサウナでなぜか筋トレをする気違い達。危ないよ!


4.プレデター(1987、アーノルド・シュワルツェネッガー

シュワちゃんのみならず、カール・ウェザース、ジェシー・ヴェンチュラ、なんて持久力のなさそうな特殊部隊だ……これですよ!80〜90年代のアクション映画を「筋肉マンのスーパーヒーローが大爆発で大暴れ」と揶揄する向きもあるが、筋肉は主役だけじゃねえ!シュワちゃん、ヴェンチュラ、あとソニー・ランダムもと、後に皆やたら政治を志しているのも興味深い。イディオクラシーはここにあったんだ……


5.コマンドー(1985、アーノルド・シュワルツェネッガー

スティールパンを活用した(なぜ)テーマ曲に乗ってはち切れる上腕二頭筋。公開時期を前後しながらシュワちゃん映画を見返すと、やっぱ若いときのバルクはえらいことなっとんなと実感できます。


6.エクスペンダブルス(2010、シルベスター・スタローン

私の好きな言葉に、「異形を志したものに後退の道はない」というのがあるのですが(ボディビルの話だが、タトゥーとか整形とかいろいろ共通すると思う)、この作品でのスライの前腕の血管はまさにポイントオブノーリターンを過ぎた覚悟そのもの。六十過ぎて違法ステロイドで起訴される男である。


7.アザー・ガイズ(2010、ドウェイン・ジョンソン

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プロレスラーは体をマットに叩きつけられても大丈夫なように体を作る、リング映えするようにでかくする、昔よりはシェイプされてる傾向はあるにしても、そこまでカットは意識せず、まあそんな感じなわけです。さてスクリーンデビュー前のロック様とそれ以降のロック様ではどこが違うか。筋量が圧倒的に違います。そして今のロック様、もはやフィジークの選手みたいな趣きすらあります。じゃあ細いのかというと当然違う。マーク・ウォルバーグだって肉体を売りにすることも多いんですが、やはり段違い。この作品はその辺を味わえる。何をだ。まあ、あの辺の人たちは作品に合わせて増減しますけどね、とんでもない範囲で。




8.ダークナイト ライジング(2012、クリスチャン・ベール

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恒例の、作品としてはアレだけどそこだけは褒めてやろう作品。というか作品としてはアレなのでそこくらいしか印象に残らない作品かもしれないが、筋量としては申し分ない。作品ごとの肉体改造でも知られるチャンベールなのでアメリカン・サイコも見事でした。


9.トランスポーター3(2008、ジェイソン・ステイサム

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結局のところ鍛えたらモテるかというとそういうのが好きな女にはモテるわけだが、無駄に体力をつけるとそれくらいじゃ治まらなくなっていい年こいてそばかすだらけのむかつく女でもとりあえずやってしまうと、まあそういう映画だ!


10.ウルヴァリン: X-MEN ZERO(2009、ヒュー・ジャックマン

私の好きな言い回しに「ダンベルを食べるように成長する」というのがあるんですが(なんでだよ)、トレーニングの成果が如実に表れる希有な体質のビルダーを表現した言葉なんですな。「アメリカン・ヒストリーX」のエドワード・ノートンが言われていたみたいに純粋に(ある程度まで)筋肉がつきやすいというのもあるんですが、それが目立つ骨格、それこそヒュー・ジャックマンのように、映えやすい胸郭とかそういう天与もあるわけです。そんな彼ですら、ウルヴァリンを演じ続けて筋肉も進化を続けている、それくらいトレーニングは奥が深い。「筋トレしてみたいけど、ボディビルダーみたいな気持ち悪い筋肉になりたくないし」みたいなこと言う奴、なれねえから安心しろ!