トムアラヤがいい人過ぎる件について
首は「メタル ヘッドバンガーズジャーニー」を観ながら頭振ってたら治りました。新潟シネウィンドの客席はメタルTシャツだらけだ!(そんなヘッドバンガーズに気を取られて肩書き見れなかったんだけど、時たま出てくるソン・ガンホ若くしたようなスチャラカ野郎は何してる人ですか?)
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「なぜ“メタル”は嫌われるのか?」
メタラーが抱く最大の難問をテーマに、メタル人類学者サム・ダンがメタルのルーツ、アーティストの素顔、社会との相克に迫る……と思いきや、バカにされる最大の原因であろうメタルの「ケレン味」に本人が首まで浸かっているせいでアーティストたちの素顔と自己演出とをゴッチャにしたまま取材を進め、「メタルを聴いて背筋に電気が走らない人間には一生わからないんだ」と至極もっともな結論に至ってしまうメタルヘッズにとっては最高の映画でした。
特にカトリックのトム・アラヤ(スレイヤー)が自分たちの「God Hates Us All」を「いいタイトルだろ?」と照れ笑いした名場面について、「トムに“God Hates Us All”が“ただタイトルが良かっただけの曲”と言われた時は残念だった」(パンフレット)と記してしまう辺り、サム・ダンも治療不可能な状況にあると言えよう。
もっとも象徴的なのがノルウェーのブラックメタルにふれた章。謂れなきメタル迫害に憤慨するサム・ダンにとって、放火や殺人を実行する連中は理解の外なのでせうか、ブラックメタル連中の内面に踏み込もうとせず、寧ろその外面的なサタニックぶりの演出(自己演出か?)に腐心しているようにしか見えない。ゴルゴロスのゴールなぞは薄暗いワインセラーでサムの質問に対し一言
「………サタン……」
(ワインを一口)
コーラ吹きました。こんなツッコミ所を許してしまった点、続編を製作中らしい監督には猛省を促したい。ぐでんぐでんに酔って「ファッキュー」としか言ってないメイヘムインタビューの方がある意味正しい取材だと思うのだが(知り合いでいるよこんな奴。右翼)。
それでも隙あらば意味もなく自分の映像を挿入するサム・ダンの自己顕示欲には、メタル者として大いに共感するばかりなのであった。