おじいちゃんたちがかわいい映画

靖国 YASUKUNI」観てきました。ほんま新潟シネ・ウインド様々やで。

ドキュメンタリー映画だとか、或いはプロパガンダ映画としてでもいいんですが、そういう視点で観たら決して成功作とは言えないんじゃないかという気が観ている内に。かみ合わない会話、分かりにくい表現意図(ないわけはないと思う)……それでも誰も撮ってなかった(あるいはまとめていなかった)ものを撮られちゃった時点で、ある意味彼の勝ちなんじゃねえかなあ。

批判派の人たちもこの後「正しい」靖国ドキュメンタリーを作ることはいくらでも可能だと思うんですよ。国のために尽くした方々を祀った社の尊さみてえなのとか、靖国反対派の論拠の微妙さだって突っつけるだろうし、「靖国 YASUKUNI」のラストで流される刀の伝統と残酷さのつながりみたいなのは明らかに首傾げる内容だし。しかしこの映画で映し出される人たちは左右ともにとても滑稽で(特に笑いが起きていたのは『お前中国人か、中国帰れ!』と延々、本当に延々と怒鳴り続けるおっさんと、『僕の怪我なんてどうでもいいんです!僕を逮捕するんですか!』って叫び続けた靖国反対派の兄ちゃんが双璧)、これらと別個に靖国の美点を描くのはなかなか難しいのではと。(映像の)面白さと(いろんな)間違い両方を包含してしまっているところが、この映画のアポカリプト的に罪深い点なんじゃないかと思うよ僕ぁ。