今日は長いよ!上杉隆氏に一言
前に書いてたものだが、古くならないうちにアップしておく。
3月26日の首相会見オープン化で出された上杉隆氏の質問(?)が話題を集めている。
戦後65年、これまで国民の知る権利、情報公開の立場、会見のオープン化に向けて努力をしてきたすべての人々、それから世界中のジャーナリストに代わって御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。質問はありません。
あれだけ待望して、貴重な機会を使ってこれかよ!と失笑を漏らしたわけだが、巷間での反応はさまざま。
首相記者会見で上杉隆氏フリー記者として「質問はありません(キリッ
理解する声も多いのだが、批判派で目立つのがアイコンに日の丸つけちゃう民主嫌悪者の人たちってのがなあ……
twitterのアイコンに鳩山首相と並んでる写真を使っちゃう人たればそれも当然かもしれないが(今は変えている)、ジャーナリストとしての評価ももうちょっとやって然るべきじゃないの?ということでやるよワスは。
彼の記事についてのブクマに「郵便ポストが赤いのも記者クラブのせいなんだろ」というのがあって笑っちゃったことがあるのだが、すっかり既存メディアの批判者兼記者クラブ破壊者として名を馳せた上杉氏。これはこれで必要な視点だが、元々は普通にジャーナリストをやっており、雑誌ジャーナリズム賞も受賞していたわけだ。
この人の印象として「他を貶めることで自分を大きく見せようとする人だなあ」というのがあって、その割にブーメランとしてはね返っていることも多いわけです。
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週刊文春2010年4月1日号
自民分裂ドキュメント 舛添、与謝野、鳩山邦夫「新党崩壊」
自民党職員が言う。「(中略)党所属の若手議員のひとりは、党内の受け止め方をこう語る。「(中略)自民党福岡県連のひとりはこう憤る。「(中略)舛添氏周辺が証言する。「(中略)自民党関係者が続ける。「(中略)平沼氏周辺が解説する。「(中略)中川氏周辺が語る。「(中略)渡辺氏側近も、鳩山氏との合流を一笑に付す。「(以下略)
3ページにも満たないこの記事……筆者は上杉氏その人である。
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上杉隆氏の嘘 動かぬ証拠
3月2日に上杉氏ではなく「週刊文春編集部」より回答書がきました。この回答書を読み、驚きあきれてしまいました。なんと、回答書の末尾にこう記されております。
『なお、当回答は、未公表の著作物ですので、
そのままHPで引用、公開されることはお控えください。』
週刊誌という媒体を使い大々的に安倍議員を誹謗中傷しておきながら抗議されると「それは密室でやりましょう」というのは虫が良すぎるのではないでしょうか。
これについて糾弾の雨を受けた氏は「過ちがあったらそれを認め、正しいと信じたら闘い続ける。実際これまで、ずっとそうやって来た。責任ある「解答」は、必ず、届ける。(中略)反撃開始は、4月。」と予告したものの、結局は「世襲議員のからくり」という本の出版で一般論に逃げてしまった。
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http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090430#p4
後にはこのような説明もしているのだが……
http://twitter.com/uesugitakashi/status/7475900486
多いんです。wikipediaを鵜呑みにする方。反論せずに逃げているのは安倍元首相の方ですよ。wikiの記述が逆に書かれているだけ。ずっと放置してますけど(笑)。 QT @masseuphoria 上杉さん、安倍さんにきちんと謝罪したの〜?
3:32 AM Jan 7th webから
http://twitter.com/uesugitakashi/status/7476040384
過去10年間、安倍晋三氏には30回以上もの質問状やインタビュー依頼を送ったが、すべて拒否して逃げています。
3:39 AM Jan 7th webから
説明にはなっていないような。つうか、これ書いてて思ったんだけど、時系列の意図的な混同というか、この問題と別の質問じゃねえの?「過去10年」って、「官邸崩壊」あたりとかで質問したら逃げられたとかじゃねえの?
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また、これもid:gryphonさんがよく指摘しているけど、「官邸崩壊」でボコした産経の阿比留瑠比記者について「『あびるん仕事もせずにblog書いてばっか』って笑ってたアンタがtwitter書いてばっかじゃん!」というブーメランもある。(基本的に今回のエントリはほとんどグリフォンさんにおんぶにだっこだな)
最後に、これが肝心だが自説に都合のいい事実以外無視する傾向が強いのである(情報の取捨選択も大事な仕事だが)。たとえば、麻生太郎・前首相が解散しそうでしないことについての報道が繰り返されたことについて、それこそ何度も何度も「マスコミによる捏造」と批判していた問題。冒頭解散については前首相本人が総裁選初日に、その後党幹部も言及していたうえ、文藝春秋08年11月号掲載の手記でも前首相は冒頭解散に踏み切ろうとしていたことを明かしていた。にもかかわらず、「麻生前首相は当時全くその気がなかった」という記事を書いていた氏が新潮45の同年12月号で朝日新聞の曽我豪編集委員が(麻生手記の)ゴーストライターではと言い出したのは、「マスコミが自分の願望を紛れ込ませた」と思わせようとする印象操作ではないのかと、事実ならそれこそ、匂わせておしまいにしちゃいけないだろうと、言わざるをえない。
とまあ、こんな感じで「権力とメディアの距離感」について批判してきた彼が後に民主べったりと批判を受けるようになり、矛先は「政権とメディア」から「官僚とメディア」「検察とメディア」へと移っていくのであった。官僚とメディア、検察とメディアの関係についての問題点は魚住昭氏のそのまんま「官僚とメディア」が詳しいので一読をお勧め。
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というわけで自分でハードルを上げておいてそのハードルを蹴倒して進むバイタリティには敬服するほかない次第。個人的には記者クラブも要らんし、特大のバイアスを除けば優秀なジャーナリストだと思うので頑張ってけさい。