最近読み終わった本

先日「読んで読んで読みまくれ」とか書いておきながら2冊かよ!とか言われるのもナンなのでザバザバと書いていくよ。

「地下鉄サリン事件」戦記―出動自衛隊指揮官の戦闘記録

「地下鉄サリン事件」戦記―出動自衛隊指揮官の戦闘記録

筆者は地下鉄サリン事件当時「災害派遣」としての出動を命じられた第32普通科連隊長。部下たちの証言とともに語られているのは除染隊の奮闘、密かに進められていた対オウム用「幻の作戦計画」、狙撃や格闘技の名手で隠密裡に編成された「狙撃小隊」「オウム遊撃小隊」といった裏話であります。ちなみに毒ガス検知用に配備されていたカナリアの名は「サリ太」「ガス彦」「ショー子」……「決して気の利いた名前だとは思わなかったが」……当たり前だ!
 
小説家 (講談社文庫)

小説家 (講談社文庫)

小説に取り憑かれた男が自らの業を振り返り、掘り起こす魂の懺悔録。と言いたいところだが、最後の最後に「(小説を書く)辛苦も歓びも、実際に味わった者でなければわからないだろう」って、「じゃあ何のためにここまで長々と……」と突っ込ませる凄まじい一言が。筆者の嘗ての非道ぶりへの悔恨も他人事臭く感じられてしまう理由の根源がここにあるんではなかろうか。
 
農協との「30年戦争」 (文春新書)

農協との「30年戦争」 (文春新書)

農協と喧嘩しまくってきた農家による農協批判本。地方農協が地元農業高校の学閥で支配されている話とかナマい告発も多い割に鼻につくとこがないのは、執筆協力者の井上久男氏の貢献ではないだろうかな、たぶん。
 
天才 勝新太郎 (文春新書)

天才 勝新太郎 (文春新書)

これはグイグイきた。帯には「巨匠・黒澤との決裂の真相」とか書かれているが、そんなのは単なる1エピソードに過ぎない厚みを持った一冊でした。意気揚々と映画界に飛び込みながらも市川雷蔵の陰に隠れ、主演を張れるのもB級映画ばかり。そんな男が役者、スターとして化け、自らの「演技」「映画」「座頭市」に呑み込まれていく様が豊富なエピソードとともにご開陳。

頭を丸くして座頭市、少しのびたら五分刈りで「兵隊やくざ」、もう少し伸びたら角刈りで「悪名」、また丸くして「座頭市」……(中略)「オレの役作りは、髪の長さを長くしたり短くしたりするだけか!」

中村が脚本に「市が走る」と書くと、勝は怒った。
「市が走るかどうか、なんでお前が決めるんだ!市が走るかどうかは、オレが決める!」

座頭市はそんなことはしない」

そして彼は、自分が「勝新太郎」なのか「座頭市」なのか分からなくなっていく……必読。
 

というわけで「天才 勝新太郎」を読むと未見の座頭市(観たことあるの自体僅かなんだが)を片っ端から観たくてたまらなくなるのだが、日本人なら誰でも知っている「あの」作品についての解説、感想、分析、雑談、与太、電波、狂気が詰め込まれた「Bootleg vol.0」を読むと「男はつらいよ」を観たくなってねえ!しかし若い頃の松坂慶子は本当に美人だ(結局寅さん話しか書いてねえや。「ロバート・ゼメキス 成功の方程式」(嘘)とか他のも面白いです)。
 

後輩で、人が集まるたびにB級C級のモンスターパニック映画やパチモン映画のビデオを借りてくる奴がいてねえ……映画の内容を説明させようとしても、水野晴郎の「こんばんは、水野晴郎です」と同じ調子で「ええ、クソです」と言うばかりなので、とみさわさんの爪の垢を煎じて飲ませるとともに、今後の資料として読ませておきたい。
 
とりあえず長谷川は「メタルマン」を持ってきた罰としてスクワット2000回。

メタルマン [DVD]

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