ノルウェイの角材

 今日はこんな本を読みますた。

大誤訳 ヒット曲は泣いている (光文社ペーパーバックス)

大誤訳 ヒット曲は泣いている (光文社ペーパーバックス)

 「ビートルズの『Norwegian Wood』は『ノルウェイの森』ではなく『ノルウェイ産木材』だった」、「『All You Need Is Love』の訳詞は意味がさかさま」といった感じで、ロックやポップスの名曲につけられた訳詞の適当さをチクチクとつついていく、なかなか興味深い一冊。
 たとえばアラニス・モリセットの「Ironic」。

ジャグド・リトル・ピル

ジャグド・リトル・ピル

(原詩)
Well life has a funny way of sneaking up on you
When you think everything's okay and everything going right
And life has a funny way of helping you out when
You think everything's gone wrong and everything blows up
In your face

(訳詞)
人生っておかしなやり方で
ひょっこり顔を出すものなのよ
すべてがうまくいってると思うときだけ
何もかもちゃんとしているものなの
人生っておかしなやり方で
切り抜けさせてくれるものなのよ
すべてが間違ってしまったと思ってるときは
何もかも真っ向からぶつかってくるものなの

(筆者が試訳した歌詞)
そう、人生というのは、すべてが結構ですべてがうまく行っていると思ってるとき
こっそりあなたに忍びよってくるという奇妙なやり方をするものです
また人生というのは、すべてが間違ってしまいすべてが駄目になったと思ってるとき
あなたを助け出してくれるという奇妙なやり方をするものです

…………かなり違うということは分かるんだが、じゃあ正しい訳を、どう美しく詞にするかっつったら別問題だよなあ……なっちの苦労を(以下略)

ロング・ラン

ロング・ラン

 またEAGLESの「The Sad Cafe」では、「The tracks that ran down the boulevard/Had all been washed away」が「大通りを走っていたトラックも、いつの間にか姿を消し」と訳されていることについて、「『静かに降っていた雨』でトラックがすべて洗い流されたとすると、これは1つの神話的奇跡ですね」と嫌味たっぷり。つまり「track(車の通った跡、わだち)」と「truck(車のトラック)」とを混同してたというわけでした。
 この本には入っていないが同様の間違いで有名なのはrage against the machineの「BOMBTRACK」。
Rage Against the Machine

Rage Against the Machine

「爆弾痕」のはずが「爆弾輸送車」になってるという大誤訳。
 まあ「ボムトラック」と音だけで聞いたら私も「ランド・オブ・ザ・デッド」のデッド・レコニング号みたいなのを想像してしまいますけどね。今週のビックリドッキリメカ〜