ASS

NHKを点けっぱなしにして仕事をしていたら歌謡コンサートの放映中、ブラウン管から「それではCARCASSの皆さんでーす」と聞こえてきて吃驚しました。当然「サーカスの皆さんでーす」の空耳アワーというどうしようもないオチだったわけですが、いい機会なので私の中学生活を血塗られたものに一変させた名盤を引っ張り出してみました。

Heartwork

Heartwork

音楽史的には「メロデス」というジャンルを人口に膾炙させたバンド。しかし個人的には「翻訳」作業の奥深さを実感させられたバンドでもあります。
CARCASSといえばトイズファクトリーのバカタレ邦題シリーズばかりが目立つ傾向にありますが、

Exhume To Consume      → 餓鬼は屍体を貪り喰う
Inpropagation        → 屍体で花をさかせましょう
Incarnated Solvent Abuse   → 硫酸どろどろなんでも溶かす

臓器移植

臓器移植

このアルバムに入っている「Rot 'N' Roll」では、コーラスの「Let's rot, Come on rot」を「くさってしまおう、クサクサしよう」と訳していたりして、ライナーノーツでもなかなかのはっちゃけっぷりを見せてくれるのです。
イマジン オリジナル・サントラ

イマジン オリジナル・サントラ

また小学生の時に愛聴していたジョン・レノンの「イマジン」でも

Don't let me down
Don't let me down
Don't let me down
Don't let me down

僕を悲しませないでくれ
がっかりさせないでくれ
僕を滅入らせないでくれ
失意の底に落とさないでくれ

という気の利いた訳詩が載っていて、子供心に「これが翻訳か」と思ったものですよ。
こんなものばかり熟読していたおかげで、大学受験の夏まで「ingをつければ進行形」という気合い一発な英語でやってきたのデスチャージ。