アワビおろしは魯山人の本に出てきまふ

 いつも通りイブニングを買ったはいいものの、「もやしもん」は載っていないし、私の好きくない「ホカベン」が再開しているしで何だかなと。「人間の本質」=「醜いもの」とのみ定義しているかのような世界は見ていて嫌になるのですよ、本質にソレが含まれていることは全然否定しませんけど。

ホカベン(1) (イブニングKC)

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ザ・ロック 特別版 [DVD]

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 昔、朝日新聞の映画評で、確か「ザ・ロック」について「最近のハリウッド映画では、出てくる悪役がやむを得ず犯罪に至った背景まで説明することが増えた。悪を悪として描いても充分その哀しみを描くことができるはずなのに」というのがありました(大意)。個人的にはどちらの描き方もアリなんですが、少なくとも悪、あるいは悪役をただひたすら「不愉快な存在」としてのみ表現する作品ってのはビッとしねえ。あまりにビッとしねえよ。
 じゃあ何が良いんだと問われると答えに詰まるんですけどね。谷川俊太郎御大でしたかね「『きれい』と『美しい』は同じじゃない、『きたない』の中にも美しさはある」と言っていたのは。