今日読み終わった本
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1999/08/01
- メディア: 文庫
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内容は本筋以外にも、天下を統一したわけでもない東夷の「夏」、北狄の「殷」、西戎の「周」が「史記」の本紀に並ぶのは、「正統」(中国世界の統治権)の概念ゆえであり、それは台湾問題などで今も中国を縛っている、とか、600年にわたる遊牧民出身の王朝から漸く脱した途端、キタイに対して劣勢に立たざるを得なかった「中国人」が「武力では劣っても文化では『夷狄』に優っている」として生み出した(誤った)思想が中華思想である、とか、中国は元朝と清朝の時代に中国の一部だったからとチベットの領有権を主張しているが、どっちも「中国を支配した王朝ではあるが、中国の王朝ではない」し、それなら今のモンゴルも中国の領有権を主張出来る、とか色々興味深い。けどこの人が後に「この厄介な国、中国」を書くに至るというのも頷けるというかなんというか……批判は(この本みたいに)混ぜとく程度にした方が効き目あるんとちがいますかねえ。
ちょうど書いている時目に入ったのでツッこんでおくと、東夷、北狄、西戎、南蛮は(中国にとっての)中国外の地域への蔑称だったのが、侮蔑の意味合いを薄めつつ日本に伝わったわけであって、オランダ人が南から来た野蛮人だから南蛮人という論をそのまま引くのは色々誤解を招きそうなのでお薦め出来ない。本人は実感として書いているとはいえちょっと。
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2001/11/01
- メディア: 新書
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- 作者: デュランれい子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/20
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- 作者: 石川慶子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/09
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