「心を通じる道は胃袋を通る」

　牛丼チェーン大手の吉野家ディー・アンド・シーが４日発表した６月の既存店売上高（速報）は、前年同月比９・６％増となり、２００２年１１月以来、２年７か月ぶりに前年実績を上回った……
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050704-00000012-yom-bus_all

　全頭検査批判とか米国産牛肉原理主義とか、このまま伝統に縛られて沈没する戦艦大和となるのかと心配していましたが、まあ良かったねと。個人的にはらんぷ亭派だったんだが、キン肉マン、ネギだくと食にとどまらず愛され続けてきた吉野家の牛丼がここまで遠いものになるとは誰が考えたことでしょう。バイトからトップにまで上りつめた挙句にBSEで叩き落とされた社長の茨道もかなり気になるところではあるが……

食肉の帝王 (講談社+α文庫)

　浅田満・ハンナン元会長も、この騒ぎがなければ未だに大阪でその豪腕を奮っていたかもしれないことを考えればほんとにBSEの影響は大きいなと（この場合、自業自得なんだが）。この人物（＆その出自）をここまで掘り下げること自体がかなりエポックメイキングであったわけですが、そうでなくても十分オモロな本。幸か不幸か私は千葉の新興住宅地に生まれ育ち、あまり部落差別というものを実際に目にすることはなかったのですが、新潟の人は集落のことを他意なく「部落」と言ったりしてるうえ、会社の後輩（京都出身）や大学の後輩（広島出身）の発言は聞くだけでもセオドア・ロング、いやハラハラしてました。

ビーフ [DVD]

　かなーり強引な展開だなわれながら。
　HIPHOP史をBEEF（バトル、対立）という側面から追ったドキュメンタリー。BEEFが暴力沙汰に発展する経緯の解説とかが面白い（ICE-Tによると、出所したてのチンピラが有名になった仲間に「お前をディスってた奴叩きのめしてやったぜ」と近づいてくるとか）。
　日本ではDEV LARGE vs K DUB SHINEが有名ですが（つうか目立ったのなんてこれくらいか）、それすらも何に対しての配慮なんだかメディアでほとんど取り上げられない状況じゃあ、業界のミックスアップに発展するのはまだまだ先だな。