もし団地ともおが受賞していたら……

 ワンテンポずれた話題になるが、第9回手塚治虫文化賞について。この賞のつまらんところは、漫画出版社の漫画賞と違って「サイドの賞を他社に、メインを自社出版の作品に」といった割り振りを深読みする楽しみがないとこですな(深読みせんでも丸分かりとの声もある)。しかしこの賞ですら、裏を読もうとすれば、できないことはないのである。

マンガ大賞 「PLUTO浦沢直樹手塚治虫・作

PLUTO (1) (ビッグコミックス)

PLUTO (1) (ビッグコミックス)

 原案は不朽の名作「鉄腕アトム」。手塚先生がこの作品に込めたテーマが「反核」であることは、もはや常識と言っても過言ではない。そして今も最も声高に「反核」を訴え続けるマスメディアは、やはり朝日新聞社に他ならない。それが、この賞を敢えて贈った理由であろう。

短編賞 「上京ものがたり」「毎日かあさん西原理恵子・作

上京ものがたり

上京ものがたり

毎日かあさん2 お入学編

毎日かあさん2 お入学編

 生臭くも温かい幸せと、人生かけたギャグを描き続ける西原理恵子先生。彼女が共産党シンパであることは、もはや常識と言っても過言ではない。そして赤旗を除けば、中央紙でもっとも共産党イデオロギーが近しいマスメディアは、やはり朝日新聞社に他ならない。それが競合他社の連載作品でありながら、賞を贈った理由であろう。

新生賞 「夕凪の街 桜の国」こうの史代・作

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

 この作品が「ヒロシマ」をテーマとしていることは、もはや常識と言っても過言ではない。そして「反核」を(以下同文)
こじつけにさっそく飽きてきたトカトントン