ヒラマツミノルの画力(えぢから)はこの1作で完成したのでは

Reggie (1) (講談社漫画文庫)

Reggie (1) (講談社漫画文庫)

 初っ端から格闘技と全く関係ない話題ですが。
 西武問題が大騒ぎになっている今、「REGGIE レジー」は西武を舞台にしたものだったんじゃないかとしみじみ思う(まあ実際は色々混ざってるんだろうけど)。最初は「球団そのものを悪役にするなら巨人だろ」という個人的偏見からずっと巨人だと思ってきたんですよ。親会社が「シンシグループ」っていうのも、巨人が紳士かよという嫌味かと思ってたから(また個人的偏見)。(ナベツネはともかく)長嶋茂雄がこすからいキャラに設定された野球漫画なんてなかなか普通の野球漫画ではないし。
 しかし野球に興味がなく、淡々と自軍の勝利を求め、反抗者を排していくオーナー。勝利第一で選手の魅力を殺すつまらない野球(こう書くとホント森批判を思い出すなあ)。オーナーの異様な崇拝されっぷりも、ギャグだったとしても西武事件後は漫画と思えないし(さすがに知ってたんだろうな、ロバート・ホワイティングa.k.a.ガイ・ジーンズ)。

 西武ライオンズのオーナーに君臨したコクドの堤義明前会長(70)は「常勝」と「観客動員」を同時に手に入れようとした。人気選手の獲得を妨害されると「報復」し、勝っても客を集められない監督は切り捨てた。……江川投手が巨人入りすると西武は翌年以降の車両契約を他社に替えた。その後、会社を辞めた上田さんは「数百億円規模の報復」を今も忘れない……5年連続リーグ優勝を果たした森祇晶さん(68)。「堤さんに怒られたくないフロントは『手堅く勝ちすぎて面白くない』と現場に責任転嫁した」と告白する……西武球場のオーナーズボックス。まれに顔を出すと、西武の攻撃しか見なかった。関心のない守備の時はボックス裏で仕事をしていたという。

http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2005/03/01/20050301ddn041020029000c.html

 しかし「野球」と「ベースボール」の差異を描いていたものが、いつの間にか怪物同士の真っ向勝負(つまりベースボール)になるところは、そうしないと漫画が盛り上がらないこともあるだろうが、やっぱりホワイティングの理想なんだろう。
 そういやペンネームの由来は、日本人が外国人を「ガイジン」と呼ぶことへのアイロニーらしいが(Suicidal Tendenciesも「gaijin go home」って歌ってるけど、やっぱり気になるもんなのね)……ギャグだけはアメリカンジョークというより日本の様式美(ダジャレ)になっていたという。