このとき急に嵐が、窓の外で立ちはだかつた。 「初江!」 「その火を飛び越して来い。その火を飛び越して来たら」 少女は息せいてはゐるが、清らかな弾んだ声で言つた。 彼の炎に映えた体は、火のなかへまっしぐらに飛び込んだ。 次の刹那にその体は少女のす…
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