告発本というジャンルで掘り下げたら面白かろうな

「フラッシュ」を読んでいたら、一時話題となったネイビー通信記者の逮捕について、「『東電追及名物男』が“微罪逮捕”で異常70日間勾留」との記事が。あったなーこんな話。
 長期拘留と東電追及への圧力の関係を匂わせるトーンでしたが、犯行については本人も認めておりました。「ボーッとしていてよく覚えていないが」とぼかしつつ。こういう説明って以前どっかで見た気もするのだけど、人間の性なのかねえ。
 
釈明って生温かく見てる分には非常に興味深いもので(判断を下しづらいというのもあるのだけど)、埋蔵金男として名を馳せた高橋洋一氏が高級腕時計の窃盗容疑で逮捕された事件でも見ることが出来ました。

恐慌は日本の大チャンス  官僚が隠す75兆円を国民の手に

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これもご本人が逮捕事実自体は認めたものの、経緯については「徹夜明けでもうろうとした状態で日帰り温泉施設を訪れた。ロッカーに先客の忘れ物(時計と財布)があったが、マッサージの予約に遅れたくなかったので後で届けようと思った」と後に説明。……うん(これまたリアクションしづらい)。
この逮捕を陰謀と取る手合いは当然いるのだが、同時に植草一秀氏は逮捕後の流れ(起訴猶予)を甘々処分として「小泉・竹中一派に所属して郵政民営化を推進した人物であることが、特別扱いの背景」とか言ってて、まあ世界は深淵だわ。はてブtwitterで小沢信者っぽい人が「ネオリベ管政権」とか言ってたのを思い出すなあ。

手記 潜入捜査官 (文芸シリーズ)

手記 潜入捜査官 (文芸シリーズ)

釈明つながりで言うと、無名本ではあるが「手記 潜入捜査官」でも、覚醒剤取締法違反で逮捕された筆者がその流れを説明しています。贔屓にしていた関係者がシャブ中!止めさせようと説得する際、「お前が止めへんなら俺も中毒になったるで!」と自ら注射を打ったとか。なんとも説得力のない流れが注目どころでした。
 
実録・警視庁公安警部―外事スパイハンターの30年 (新潮文庫)

実録・警視庁公安警部―外事スパイハンターの30年 (新潮文庫)

ちなみに話はズレるが、この本では中盤まで自らが行ってきた防諜活動やその問題点を自慢たっぷりに語っているのに、ラストは最近結婚した嫁さんへの愛の言葉が綿々と綴られて非常に、その、なんだ、編集者も止めろよ!
新潮にしちゃえらい仕事が雑だなと思ったら、イースト・プレスで出たやつの文庫化らしい。文体がグチャグチャで呆れた「右翼な人びと」のとこか。
右翼な人びと―狙った獲物は外しません

右翼な人びと―狙った獲物は外しません

というわけでマイナー告発本のコクと奥深さについて話が及んで久々の日記はチョン。