機械仕掛けの>>1

たまにはてブにもまとめが上がっている創作実話(2ちゃんとかで書かれる実話・体験談っぽい体なんだけど、なんかご都合主義で出来すぎた話)。やっぱり筋が限られているので新作が出てきても「ああ、このパターンか」と流れが読めてしまったりする。これまでにもありがちパターンを並べる人はいたが、とりあえず「腹立つ奴をとっちめる」系の話に出てくるデウス・エクス・マキナの類型を備忘録程度に2、3個挙げておこうというお話。(こういう場合は実例も挙げるものだが、創作という確証もないからぼんやりした内容となる。まあその程度のものです)

ドラえもん
「家族に絡んできた都会のチャラ男をビビらせる、身長180センチ、体重100キロ、スキンヘッドで見た目ヤクザな弟」とか、「しょうもないいじりをしてくるリア充に睨みを効かせてくれる、幼なじみの気のいいヤンキー」とか、「立場だけでなんとなくモテていい気になってるブスに身の程を知らせる、気のいいギャル」みたいな、妙に都合のいいスペックの仲間が話を解決してくれる。そんないい仲間がいるのに、なんでいつも不愉快な奴らとつきあってるんだよ……

・相手の親
「浮気した嫁」とかの話で特に多いが、大体えらく物わかりがよくて平謝り、何なら娘を張り倒してくれる。実際私の知人には、旦那に浮気されて相手の親が土下座&相場の3倍の慰謝料という姉がいるのだが、どういうわけか創作実話で多いんだこのパターン。
ちなみに「この親にしてこの子あり」みたいなのもあるわけで、UWFでおなじみ「悪い方の鈴木健」の元嫁の母親の話とかまさにアレ。とはいえ鈴木健本人も大概なのであった。

吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集

吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集

・>>1
語り手はぱっとしない流れなのに、なぜか突然鋭く正論を放って周りを黙らせる。まあ語り手じゃなくても「鋭い観察眼による突然の一言でオバハンとか市民団体を黙らせた子供」とかな。大体正論一言でどうにかなるなら世の中ゴタゴタしないのである。最近ゆうきゆう氏の漫画がそんな感じになってるという評を目にしたが、一つの理想型なんだろうね。お前らほんと「はい論破」好きな!


というわけで書き手の仮想敵や筆力も含めて味わい深いジャンルではあるのだが、これからも真贋のあはひで書き手の自意識が暇人を楽しませ続けるのでありましょう。乙。

おっぱいがいっぱい映画

久々に短期に続けてアップしたと思ったら両方おっぱいタグというね。
というわけで「おっぱいとメタルの音量は大きければ大きいほどいい」という信条を理解してくれる男、ワッシュさんの「おっぱい映画ベストテン」ですよ皆さん。いつにも増して雑だよ僕。

エマニュエル《ヘア解禁版》 [DVD]

エマニュエル《ヘア解禁版》 [DVD]

1.エマニュエル
レズビアンとして登場するソーニャ・マーティンがすごい。ちなみにストーリーは、エマニエル夫人が全身整形で若返った揚げ句にいつものあれこれをするというやつ。まあしょうもない。原題は「emmanuelle 4」だが邦題だと本作だけ「エマニュエル」です。「エマニエル」じゃなくて「ニュ」。なんだ「ニュ」。

アレックス [DVD]

アレックス [DVD]

2.アレックス
モニカ・ベルッチは大体いつもすごい。これはレイプなので賛否分かれるでしょうが……批判も激しかったが、ギャスパー・ノエはその後も我が道を行っている。そして最新作のポスター……

復讐するは我にあり [DVD]

復讐するは我にあり [DVD]

3.復讐するは我にあり
倍賞美津子がすごい。本当にすごい。アントニオ猪木と渡り合うにはこれくらいのパワーがないといけないということだ。極悪人の旦那、緒形拳との濡れ場、と思いきや義父と。つったって義父が三國連太郎。そりゃやるよ!

4.ロマンシング・ストーン 秘宝の谷
冒頭の劇中劇に出てくるヒロインのさりげない谷間がすごい。というかいい感じ。本当に一瞬で、あとは楽しい冒険活劇です。

5.スパイダーマン
キルスティン・ダンストの濡れ濡れぴっとり姿がすごい。服の上からでも「ああこのおっぱいならご褒美におっぱい画像を送るくらいの自信を持てるだろうなあ」と納得してしまう男。

6.コナン・ザ・グレート
魔女とか女戦士とかファンタジーとおっぱいという極東の島国では不可分なのに実は映画でそんな多くない組み合わせをちゃんと出してくれているのがすごい。と言いつつそれほど大したあれではないんですが、栄養とか流行りとか諸々が影響して、「その時代の体型」ってあるよな、と、それを思い出させてくれることも加味して。
例を挙げるならばサントリー赤玉スイートワインのヌードポスターと昨今の水着ポスターを比べれば日本人の体格向上ぶりを実感できるし、オリビア・ニュートン=ジョンの「フィジカル」PVに出てくるようなスタイルってちょっと今の主流ではないわけです。そういやまだぎらついてた頃のエアロスミスのPVに出てくるモデルも、なんか当時ならではの体型だよね。理解したければプレイメイトオブザイヤーを暦年で集めた本とか読んでみればよろしい。後で恋人に殺されてたとかそういう話も出てきて切なくなれる。

あの頃映画 「忠臣蔵外伝 四谷怪談」 [DVD]

あの頃映画 「忠臣蔵外伝 四谷怪談」 [DVD]

7.忠臣蔵外伝 四谷怪談
そういう意味では時代の変化をおっぱい一つ(二つ)でどどんと実感させてくれる高岡早紀はすごい。ストーリーは忘れた。

血と砂 [VHS]

血と砂 [VHS]

8.血と砂
シャロン・ストーンの濡れ場以外見どころがないのがすごい。

類猿人ターザン [DVD]

類猿人ターザン [DVD]

9.類猿人ターザン
この話で、結局ほぼボー・デレクのスタイルだけでひっぱっているのがすごい。

10.インビジブル
透明人が触ったために手の形にへこむおっぱいという、みんなが考えたことをテクノロジーを駆使して実現したのがすごい。日本よ、これが映画だ。


つい先日地上波で偶然見た「マイアミ・ホット・リゾート」もヒラリー・シェパードらが素晴らしいのを御開陳していたりと宝はいくらでも埋まっているわけだが、結局映画そのものがつまんないばかりにおっぱいの印象ばかりが残ってたりする作品があるのも事実。そしてそれをもたらしていたのがかつての地上波午後9時からの映画枠だったのだ。これを豊穣と云わずして何を云おうか、云い過ぎか、云い過ぎだ。

AV女優とエスニシティ

id:washburn1975さんがAV魂に火をつけているのに感化されたわけではないのだが、なんとなく書く。脱線しまくりになりそうだが書く。ほぼ十八禁だが書く。ちなみに出てくる人の全盛期は20年くらい前。

海外のエロ動画サイトと言えばxvideosがおなじみだが、個人的に興味深いのはTube Galore。まあ病的なまでに細かいジャンル分けがなされているわけです。その数ざっと800以上。それこそBoobs(巨乳)Bukkake(ぶっかけ)、CFNM(裸の男と着衣の女)、School uniform(学校の制服)、Voyeur(盗撮)……anal絡みなんて10項目くらいある。ニッチなとこでは9 Months Pregnant(妊娠9カ月)、Ball kicking(玉蹴り)なんてのも当然ある。

(ちなみに海外サイトで単にboobs(巨乳)を検索すると風船みたいな人口巨乳が出てくるので、天然を求めるのならばbig naturalで検索せねばならない)(そしてその中に結構田中瞳が出てくるので、彼女のフリークス的巨乳は世界レベルと言わざるを得ない)

同時に人種・国籍別の項目がまた多い。フランス人、ドイツ人や日本人やイタリア人は当然多項目あるし、Indian(インド人)、Vietnamese(ベトナム人)、Jewish(ユダヤ人)、Venezuelan(ベネズエラ人)、Irish(アイルランド人)、Doinican(ドミニカ人)、Iranian(イラン人)etc……hawaiian(ハワイ人)なんてのまである。人種の坩堝アメリカで多種多様な人々が自分と同じ人種を民族を、或いは各人が抱えてきたピンポイントな性のツボを求め、それこそ千差万別な需要があるのだろうと伺える。国民感情がねじれた末の欲望もあるだろうしね(イランとかベトナムなんてそうじゃねえかなあ)。

そして、それはネットによってプロアマの垣根が低くなった今に限ったことではなく、プロ全盛の時代も業界はエスニシティ別の需要に応えようとしていたわけです。それも分かりやすい形で。どれだけ分かりやすいかというと、名前で大体分かるくらい。アジア系女優の芸名が「アジア」になってるくらい。


おそらく米ポルノ業界で最も成功したアジア系女優、Asia Carrera。そのまんまにもほどがある。
人気があっただけあってwikipediaも充実しており、敦賀短大に籍を置いたことがあるとかメンサ会員だとか余計な情報が山ほど読める。

まあ熱心なファン(アンチもだが)が一人つけばやたら充実するのが常であり、綾波涼のwikipediaはほぼ一人の人間によって一時非常に詳細な(ほぼ独自研究の)説明があり、何だか楽しかったものである。
(今は消えたが、編集履歴で見られる熱き思いがこれ)

実際の彼女がどちらの性癖を持つか今でも不明だが(インタビューではどちらかというと責め好きと答えているが)、いずれにせよ、彼女が本来かなりH好きであったことは疑いない。
(略)
胸の動きを超高速化し、必ず挟んだまま射精に導く。これが綾波涼の最大の武器にして、未だその技術を綾波涼以外にマスターした者はいないといわれる"波打ち"パイズリである
(略)
責め側である綾波涼の腕への負担も少なく、持続性に優れるという利点もあった。
(略)
当時の3大パイズリ女優をして、川上良子(南ゆかり)は完成されたオーソドックス型、君津ゆうりは比肩なきパワーファイター、そして綾波涼は傑出したテクニシャンであったといわれる所以である

検索した俺にすら吹き荒れる「知らんがな」の嵐!

他し事はさておき……



少女体型で人気を博した日本/中国系女優Kobe Tai。身も蓋もない命名ではあるが、神戸牛にちなんで名付けられたアフリカ系アメリカ人コービー・ブライアントとどっちがマシか。ちなみに彼女も斯界のご多分に漏れず豊胸(かなりへたくそなやつを)をしているのだが、それでも子供用茶碗みたいなサイズで、しなかったら多分チャイルドポルノ扱いされていたのではという危惧も覚えるのだ。豊胸にはそんな意味合いもあるのだろう。と今思いついたことを取り敢えず書く。


イラン系女優Persia。姓は異なるもののイラン系で同名の女優が複数おり、昔見たことあるやつがこの画像の人かも正直よく分からない。イラン系への需要はあるんでしょうね。


Isis Nile。エジプト系である。この並びでくると、ちゃんと考えられた素敵な名前に思えてくるから不思議だ。


とまあパッと思い出しただけでもこれくらいいるわけです。Indiaって名前の女優もいるが、容貌はあまりインドっぽくはない。このまま話をcrystal goldやSpontaneous Xtasyみたいな面白芸名にまで展開させてもいいのですが、とりあえず嘗ては比較的ナチュラル巨乳に見えたcelesteを改めて見ると結構分かりやすい豊胸女優だった(乳輪沿いに手術痕がある)という再発見をお伝えして、筆を置きたいと思いますまる

雑なアウトプット

今年もやってまいりましたワッシュさんの映画ベストテン
ますますブログの更新も減っている我が人生ではありますが、今年はアニメ映画ということで、例年以上に何も考えず(続編映画ベストテンよりはましだが)、ベストテンにかこつけて我がヰタ・セクスアリスというか愛のリビドー(性的衝動)というかを振り返るのであった。

エリーゼのために

エリーゼのために

今年は順不同。

機動警察パトレイバー劇場版
ファンタスティック・プラネット
ヤン・シュワンクマイエルの短編いろいろ
ロジャー・ラビット
WALL-E/ウォーリー
モンスターズインク
うる星やつら2 ビューテイフル・ドリーマー
紅の豚
となりのトトロ
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に



機動警察パトレイバー劇場版

機動警察パトレイバー 劇場版 [DVD]

機動警察パトレイバー 劇場版 [DVD]

ほんと「2」が人気なのはまあ分かるんですけどね、1のカタストロフィいやカタルシス、そして香貫花クランシーの「combat!」というセリフ。もうクるね。日本の漫画はもっと「切れ長の目の美人」を描いていくべきだと思うね。中学校の頃、上の階のクラスにそういう意味でとても良い目の娘がいたんだけど、当時私の親友とつきあっていたことが10年以上後に判明したのである。

ファンタスティック・プラネット

ファンタスティック・プラネット [DVD]

ファンタスティック・プラネット [DVD]

サブカル女を家に誘うのに活用させていただいたことは前にも書いたような気がするが、世の中はこういう底の浅いやり取りで動いていくのだ……

ヤン・シュワンクマイエル

ヤン・シュヴァンクマイエル 短篇集 [DVD]

ヤン・シュヴァンクマイエル 短篇集 [DVD]

「悦楽共犯者」あたりも同じような感じでお世話になったのだが、やはりシュワンクマイエルの真骨頂は短編にあるわけで。はっきり言えばアイデア一発みたいなとこもあるんだけど、それであの世界観ですよ……と書いていて単に東欧の雰囲気に馴染みがないだけなんじゃないかと思い始めた。まあそれも含めて映画ですよね。

ロジャー・ラビット

ロジャー・ラビット [DVD]

ロジャー・ラビット [DVD]

実写とアニメの融合として非常に先駆的……なのかどうかは知らないが、クライマックスでアニメの悪役の端っこから実写の人物の手首が見えてしまうことに気づくくらいは見返している。本当に何度も見た。年とると、ガキの頃に「おばちゃん」と思ってた年代の女優がたいそうな美人であることに気づくことが多いのですが、これの女優は見返してもやっぱり微妙でした。途中胸の谷間を強調するギャグがあるんだけど、それだけに微妙だったんだ。ブレードランナーのゾーラからそんなに経っていないんだけどねえ……

WALL-E/ウォーリー

ウォーリー [DVD]

ウォーリー [DVD]

無償の愛、純愛に燃えてしまうロマンシング・サガ。

モンスターズインク

モンスターズ・インク [DVD]

モンスターズ・インク [DVD]

以下同文(ひでえ)。

うる星やつら2 ビューテイフル・ドリーマー

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー [DVD]

なんか「語れそう」な映画。いや語れるのである。魅力的なアニメなら大体語れるのは自明なのだが、これが懐というものか。多分違う。

紅の豚

紅の豚 [DVD]

紅の豚 [DVD]

いいよねえ。まあ大体大学生あたりからいきなり「いいよねえ」と言い始めるので、振り返れば小っ恥ずかしいことこの上ないのだが……加藤登紀子のCDを買って「さくらんぼの実る頃」が日本語バージョンでがっかりというのも一つの思い出&あるあるなのだった(これもどっかで書いた気がするのだが、見返す気はない)。

となりのトトロ

年を取るにつれ、何も考えずに見ていられることはなんと素晴らしいことだろうかと、あらためて思うわけである。そしてカンタがなんともほほ笑ましくなってくるわけだ。エンディングでサツキがモンペ履いたりと地域にだいぶ馴染んだ様子が流れるんだけど、結構カンタとしては複雑だと思うな僕ぁ。

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

陸自の大虐殺、弐号機VS量産型エヴァの切り株バトル、そしてなんだか分からないままなんだか分からない高みに上り詰めていくクライマックス。コミック版もようやく大団円を迎えたのだが……いや大団円かは微妙なのだが……エヴァが20年近くコンテンツとしての強度を保ってきたことにおいて、この劇場版の「なんだかよく分からないけどすごいもん観た」感の貢献するところは大であると言わざるを得ない。

「。」

そして「渇き。」。
原作はご存じ深町秋生第一作にして「『このミステリーがすごい!』大賞」大賞受賞作。ボディビルという底なし沼に踏み入れてしまった者たちの物語。

果てなき渇望―ボディビルに憑かれた人々

果てなき渇望―ボディビルに憑かれた人々

違った。
果てしなき渇き

果てしなき渇き

黒沢あすかも「冷たい熱帯魚」で旦那に「子供もいるんだからこういう役はこれで最後に……」と言われていたはずなのにまた大変ですね。
で、映画というか小説の話になってしまうのですが……

「 これは個人的怨念を込めた作品だった」深町秋生インタビュー 後編

加奈子はまさに深町作品における女性像の原型に思えました。

深町 あぁ、当時は意識して書いてはなかったけど、たしかにたぶらかされたいとか蹴られたい、翻弄されたいと思って書いてたね。

「処女作にはその作家の全てが詰まっている」とはよく言ったもので、映画を観るとオダギリジョー演じる刑事も、その後の深町作品でおなじみのキャラクターの原型だったのだなと。映画版は明らかにその後のあの人とかあの人を取り込んでいるのですが、原作を読み返してみると結構その萌芽があったんですな。「指示を受けて○○をこなすうちに○○の狂気に呑み込まれる○○○○○」という。深淵を覗く者はどうしたこうしたというアレです。
で、彼の出てくる場面が非常に爽快なわけです。あれとかこれとかに出てくる奴らもみんなそうですが、まあほとんどジェイソン、レザーフェイスの域ですからね。今回はどんな魅力的なモンスターが出てくるのかというのが、そういうのも深町作品の魅力の一つだったのだなと再確認したわけです。



そこでなぜタクシードライバー

入れ子のようなそうでないような

「渇き。」を観たのだが、そういえば「アクト・オブ・キリング」の感想を書いたままだったので載せる。
インドネシアでかつて行われた大虐殺。その当事者(した側)のじいさん、アンワル・コンゴに再現劇を演出させることで、じいさんがこれまで無自覚だった、自らの行為の罪深さを実感していく……という、「これぞドキュメンタリー」な必見の問題作なわけです。

出てくるお仲間がまた役者揃いでして、自省に向かうアンワル・コンゴと対照的に、意識して行為の重大性から目をそらし続けるアディ・ズルカドリ、間近で行われていた虐殺を「知らなかった」と主張するソアドゥオン・シレガル、虐殺に付随したレイプすら楽しい思い出話として話し、ショバ代徴収など現在進行形の悪人っぷりを隠さないサフィト・パルデデ、まあ、どいつもこいつも存在感が凄い。かっこつけた態度を見せながら、仲間たちとはどうしようもない下品な猥談をする姿を映し出されていたパンチャシラ指導者のヤプト・スルヨスマルノも趣深い。
その中でもいい味出してるのがアンワル・コンゴの取り巻き、ヘルマン・コト。蛙みたいな顔したデブにもかかわらず(マツコ・デラックスみたいと言われてるが、大雪りばぁねっとのオッサンの方が似ている)、長髪をいかして再現劇では女装も辞さず、上昇志向を持ちつつ、アンワル・コンゴの体調を気遣うとこもある。考えは浅いが人間的にはなかなか重層的です。
彼は撮影中、選挙に出馬します。そこでも無邪気に収賄の夢を語ってたりして処置なしやなこのおっさんという感じなんですが、やっぱり一応選挙ということで髪は切る。でまあ観客からすれば予想通りの結果になってストーリーは本筋に戻るわけですが、そしたらまた彼が長髪に戻ってる、時系列を入れ替えてるわけですね。そいでクライマックス、アンワル・コンゴが過去への悔悟をあらわにする、ちょっとなかなか凄い場面なんですが、よく考えたら選挙戦中、つまりその後も虐殺仲間とじいさんはきゃぴきゃぴやってるねっかと、まあ、フィクションみたいに単純にはいかんわなというその辺も含めてすごい作品でした。

見てもいない(けど見るつもりはある)ある映画のこと

アクト・オブ・キリング」を観に行こう観に行こうと思いながら行けていない。一応、高速使って1時間、たまに仕事に行くところで上映されているのだが、なかなか都合がつかないのである。しかももうすぐ上映終了。

そんな状況で書くのもなんなのだが、というかもはやブログはtwitterの文字制限からはみ出る話を書くためのものになっているわけだが(twitterの連投も好かんのよな)

ネット界隈でこの映画を大きく盛り上げることになった町山智浩氏のこの話題。

http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-3683.html
アクト・オブ・キリング』というドキュメンタリー映画の、試写会と記者会見がありまして……100万人といわれるスカルノ大統領側の人たちが粛清されたんですけども。それでデヴィ夫人は、実際に現場にいて。奥さんでしたから。監禁されてるんですね。……いつ殺されるか分からなかった、という話を記者会見でしてくれましてね……日本政府とアメリカ政府は、スカルノ大統領がアメリカに逆らっていたんで、邪魔に思っていたから、スハルト将軍側を支援してたんですね。……100万人の虐殺に関しても、アメリカ政府、日本政府は黙認してるんですね……「この映画の出来事を、日本の人々はほとんど知らない。インドネシアの人たちが、100万人も亡くなってる。それに日本政府が加担してたって現実を知って欲しい」と……それで、デヴィ夫人が訴えた翌日の記事、ニュースを見たら「デヴィ夫人川島なお美と電話」って記事になってるんですよ……日本政府も加担した凄惨な映画って、どこにも書いてないんですよ……日本のスポーツ新聞各紙、普通の新聞各紙、ワイドショー全部……お前ら、本当に全員並んで、デヴィ夫人にビンタしてもらうべきですね。

一般紙で試写会そのものの記事なんて地域面以外でほとんど見たことないなのだが、それを抜きにしても……

http://www.webdice.jp/dice/detail/4161/
太平洋にある国々でアメリカの基地を拒絶したのはスカルノ大統領だけです。それらのことがありまして、ペンタゴンアメリカの国防総省)からスカルノ大統領は憎まれておりました。
(中略)
ニョトという幹部がいたんですが、この方が全身を針金で縛られてその針金を引っ張られて亡くなったというニュースを見ていて、まさかそんなことがと思っていたんですが、この映画をみると、そういったことが(確かに)あったんだと……。

本人そんなに知らなかったんだねと。ぶっちゃけバラエティ番組、ネット右翼、それぞれの最も下劣な部分を体現したような活動「ばかり」を繰り返してきた人が後出しで乗っかってきたところで、そりゃ何言うてんねんとしか反応しようがないのも事実なのである。